為替も商品(モノ)の売買と同じで、需要と供給にともなって、値上げ、値下げが発生します。
私たちは、ローソク足を見て、どちらか一方に動くとき…
例えば上昇中だからロング(買い)でエントリーしようと考えます。
その考えは全然間違っていません。
ただ、そのとき、ふと思うことがあります。
為替も商品(モノ)の売買と同じで、買う人がいれば、売る人もいる。
その価格は等価交換になります。
つまり、買う人が買おうと思った金額で、売る人は売る。
だから売買が成立します。
ん??待てよ‥‥
このことは為替の売買でも同じだから、
例えば、100円で1ドルを買いたい人は、100円で1ドルを売たい人から買うことになります。
ということは、100円で1ドルを買いたい人がいる限り相場(ローソク足)は上昇しない理屈になりますよね。
なぜ為替って、上昇したり、下落したりするんだろー??
私は今更ながら、当たり前のことだけど、考えたこともなかった為替・ローソク足の動く理由について考えてみました。
為替も一般的な商品の売買に変わりないので、為替を身近な商品に置き換えて、為替の動く仕組みについて考えてみます。
1個100円のカップ麺の「どん兵衛」が、1個100円で売買されるとします。
1個100円の「どん兵衛」は大人気で、1個100円で売り続けた結果、在庫が無くなってしまいました。
慌てて追加で「どん兵衛」を生産しますが、1個100円であっという間に売れることから、売る側は、1個101円でもまだまだ売れるだろうと予測して、1個101円に値上げします。
「どん兵衛」を買う側も1円の値上げぐらいならOKだと思って、101円でも「どん兵衛」を買いました。
この時点から「どん兵衛」は1個101円で売買されるようになりました。
しばらく時間が経つと、「どん兵衛」の人気が無くなって、101円で売れなくなり、100円でも売れないので、売る側は仕方なく、99円で売ることにしました。
そうすると、「どん兵衛」人気は回復して、1個99円の「どん兵衛」が定着しました。
これが一般的な商品の売買の価格の変動の仕組みですよね。
為替にも同じことが言えます!
今まで私はFX‥‥つまり為替を難しく考え過ぎていたのでは?
為替の変動も普段の商品の売買と同じだという単純なことに気づいたのです。
でもふと疑問が‥‥
為替の価格は誰が動かすのかな??
各国の中央銀行総裁が発表する金利で操作?
大口の投資家が売り買いを入れて操作する?
一見、そうかと思いそうですが、「どん兵衛」のような商品売買と異なり、為替相場の価格は一気に1円とかで売買が上下するのではなく、切れ目なく上下しますし、為替市場は、商品売買店舗のように営業時間、閉店時間が存在しなくて、土日を除き、24時間ずっと営業されて、為替という商品が絶え間なく売買され、売る側と買う側が入れ替わり立ち代わり、休む暇がなく取引をしています。
そうなると、価格は特定の価格‥‥例えば、1ドル=100円で永遠に取引されることになりますよね?
ここで何気なくスルーしてしまっていた為替取引の落とし穴を振り返ってみます。
①為替売買(FX)はインターネット回線を通じて行なっていることの落とし穴
FXトレーダーは、100%インターネットを経由して売買の注文をしています。
その売買の種類は、成行、指値など、数種類ありますが、多くのトレーダーは「成行」でその都度チャートを見ながら取引を行なっているのではないでしょうか?
中にはチャートを見る時間が少なく、指値で注文・決済を行なっている人もいると思いますが、ここではそういう人を除いて考えます。
成行注文の場合、例えば、価格が1ドル=100円になった瞬間、買い注文を入れるとします。
パソコンでもスマホでも同様ですが、買いのボタンをクリックします。その瞬間、通常、買い注文が成立しますが、私やあなたが1ドル=100円で注文する!と思ってクリックした瞬間、注文がネット回線を通じて成立するまでに数秒、あるいはコンマ数秒のタイムロスが発生してしまいます。
これは絶対に避けることのできない事象です。
結果、極端な話、1ドル=100円で買いを入れたつもりが、なんと1ドル=101円で売買が成立してしまうこともあり得ます。
実際、重要指標発表時や中央銀行総裁などの要人発言によって、瞬間的に1ドル1円以上上昇することも過去に例があります。
結果、私やあなたの意図しない売買が成立してしまいますが、それは誰にも文句の言えない、FX取引の宿命です。
実際には、一瞬の急激な価格の変動時にはFX会社の方で取引が成立しないように便宜を図ってくれています。
通常の取引で、ユーザーである私の置かれた通信環境の状況下によるチャートの動きの遅延は考慮されませんので、ネット通信の環境、低スペックのPCなどを利用した場合の数秒、数分の誤差による売買はユーザー側の自己責任になります。
話が大きく外れてしまって済みません。
売買価格の変動の話に戻しますが、
先ほど述べたように、私が、1ドル=100円でドルを買おうとしても101円で取引が成立してしまい、いつの間にか1ドルの価値が101円になっているのです。
その後、売買をする人は1ドル=101円に値上がりしたドルを買うようになってしまいます。
でも、そもそも売買で価格が動かないのなら通信回線のタイムラグなんか関係ないのでは?
それでも売買価格が変動するのはどうして?っていう疑問が発生します。
②スリップページがあるから為替は変動する!
FX取引をする場合、各FX会社で必ずスリップページが設定されています。
カタカナの専門用語なので初めて聞く人には意味不明ですが、要するに「あなたが出した注文で瞬間的に上下の価格に動いた場合、何円以内(正式には何pipsという単位で設定されています)なら注文を成立させても文句は言わないでください。」というユーザーとFX会社の約束のことです。
これを商品(モノ)の売買で置き換えて考えてみてください。
例えば、1ドル=100円で買い注文をしたけど、1ドル=100円のドルは在庫切れで、1ドル=101円のドルなら在庫があるので売りますよ!
あなたはFX会社と上下1円の幅でスリップページの約束をしているため、その範囲内なので1ドル=101円で買うことで売買が成立します。
こういう裏事情が為替の売買において、見えない所で瞬間的に成立しています。
結果としてドルを求める人が多い場合、徐々に1ドル=100円の価格が切り上がっていきます。
当然、その逆に、ドルの価値が低下していけば、1ドル=99円とか価格が切り下がっていくこともあります。
結論として、為替の価格の変動は、成行売買注文をネットでする時の通信のタイムラグ(orユーザーが注文をしようと脳に命令を出した時と実際にクリックorタップした際の反応速度)とスリップページ設定があるため、売り買いの圧力の強い方向に価格が引っ張られて、成立するため価格の変動が起こるわけです。
先の例に出した「どん兵衛」など、商品を買う場合は、お店で在庫と値段を確認して買い物カゴに入れることで、その価格で買うことが約束されて、その後レジで支払いをすれば良いのですが、為替の売買の場合はその価格の通貨を買おうと思っても、支払いの瞬間で在庫が切れて価格が上昇した為替を買うことを了承して取引を行なっていることになり、必然的に価格の上下が発生して売買せざるを得ないという理屈です。
結局、為替相場の値動きも、日常生活の商品売買と同じで、需要と供給の力のバランスで成り立っているということですね。
為替相場の場合は、その値上げ、値下げの動きや力などが目に見えない場所で、それも瞬間的に生じて、かつ、その値動きの一定幅の振幅を私たちFXトレーダーは納得しつつ、利益を得なければならないということです。
次回は、私が悩まされ続けた、「飛び乗り」「ブレイクエントリー」が危険な理由。FXで「飛び乗り」や「ブレイクエントリー」は絶対的にNGであったことについてお話しします。