「ダボハゼ」ってご存じですか?
ウィキペディアでは・・・
◎本来の意味のダボハゼとは、小型のハゼ類の通称のことである。ドンコ、ゴリと呼ぶ地方もある。
・釣りの際、誰にでも簡単に釣れるような価値のない雑魚というくらいの軽んじた意味で使われる。
Wikipedia
ハゼ類は貪欲で、体に比べて口が大きい魚であることから、転じて手段や対象を選ばず、ガツガツと飛びつく人、またはそのような行動を揶揄する時に使われる。
・野球においては、早打ちで凡退することが多いタイプの打者への揶揄として使われる。
・企業が様々な分野へと参入し多角化させる形態を「ダボハゼ経営」と呼ぶことがある。
と解説がされています!
要するに、何でもかんでもホイホイ飛びつくことの総称で使われます。
ダボハゼ・トレーダーとは?
「ダボハゼ・トレーダー」という言葉は、たぶん、ネットで検索しても見つからないと思います。
「ダボハゼ・トレーダー」「ダボハゼ・トレード」は、私が命名した造語ですから。
もし、使っている人がすでにいらっしゃったら済みません。
私が小さいころ、実家のすぐ前が瀬戸内海だったので、よく父親と海釣りをしていました。
瀬戸内海には、本当に様々な魚がいます。
私がよくやっていたのは、陸から釣る「丘釣り」です。
船に乗って遠出しなくても、「丘釣り」でも、メバル、サヨリ、アジ、カレイ、シーバス、カサゴ、フグ、ボラ、ちぬ(黒鯛)などなど・・・
結構な種類が釣れます。
そんな中で、多くの釣り初心者が、まず最初に釣る魚、いや釣れてしまう魚が「ハゼ」でしょう。
この記事のタイトルにある「ダボハゼ」のことです。
ハゼは、釣り場を選ばず、何処にでも生息しています。
そして、どんな魚よりも雑食で常にお腹を空かしています。
そして、釣り場で釣り竿から垂らされる針に付いているエサに一目散に飛びつきます。
誰にでも釣れる魚が「ダボハゼ」です。
裏を返せば、「どんなエサにでも喰いつく魚」っていうのが正解かな?!

「ダボハゼ・トレーダー」って具体的にはどんな人?
本家本元の「ダボハゼ」は、エサが目の前に現れたら、有無言わず喰いつきます!
FXトレードの世界でいえば、エサが目の前に現れるというのは、ローソク足がどちらかの方向にスーッと長く伸びることです。
為替市場では、値動きがなく、停滞した状態で、しばらくの間、ローソク足がレンジを形成して上下に数pips程度しか振れない動きを数時間、数十分継続していることの方が多いんです。
特に、FX初心者は、「待つ」ことが苦手で、動きがあったら、エントリーしたくて、したくてたまりません。
ローソク足が急に長く伸びたのを見て、反射的に、その方向にエントリーしてしまいます。
こういう場合、9割の値動きはフェイクです。
そして、次足で逆方向に伸びて、そのまま反対方向に流れを形成する場合もありますし、1本ローソク足が伸びても、直ぐに元に戻って、再びレンジを形成し続けることも良くあります。
ローソク足がスーッと伸びても次足は反対の足を形成するのが普通!
為替相場は、3割がトレンド、そして、残り7割がレンジといわれます。
つまり、7割という大多数があまり動かないレンジ相場ということですが、もっと単純に考えてみましょう。
ローソク足は、ボラティリティ、つまり、値幅の大小はありますが、陽線か陰線のローソク足で形成されています(まれに、十字線というのもありますが)。
相場がレンジを形成するということは、ローソク足2本だけで見ると、陽線を付けた次足は陰線になるはずです。
まあ、そこまで規則正しくはないですが、為替相場が売買で成立している以上、買いが入れば、売りが入ります。
勢いによって、上昇したり、下降したりしますが、基本は上がったら下がる、下がったら上がる!
結局、1本のローソク足がスーッと伸びたからといって、飛びつくと、ローソク足は元に戻り、また逆に進みます。
これを頭に置いておくだけで、ダボハゼトレーダーから卒業できますが、FX初心者には、これが本当に難しいんです!
FX初心者がやってはいけないトレードが瞬間トレード!!
ダボハゼトレーダーのように、エサ(ローソク足がスーッと伸びる場面)につられて瞬間的に飛び乗りエントリーをしてしまうのがFX初心者の典型例です。
では。なぜ、ダボハゼになっちゃうんでしょうか?
それは、FX初心者の思考回路が未成熟なことにあります。
分かりやすくいえば、自分自身の「型」というものが確立されていないことと、脳のどこかで、FXは確率2分の1のギャンブルだと思っているからだと、私は思います。
FXでルールを守ることの難しさ
勝ち経験の少なさがFXを難しくして、ダボハゼトレードを助長している!
多くのFX初心者が実感するのが、FXほどルールを守るのが難しいものは無いということではないでしょうか?
特に、ダボハゼトレードをしている人は思うはずです!
「また、やっちまった!」
ダボハゼトレードをしている限り、トレードを重ねれば重ねるほどストレスが増してきます。
ベテラントレーダーの中には、初心者時代を振り返って・・・、負ばかり続いて、「パソコンのモニターを破壊した!」とか、「マウスを壁に投げつけて壊した!」とか、たまに聞きます。
なかには、トレードで勝てなくて、うつ病になった人もいます。
この「勝てない」っていうのをもっと具体的にいえば、「何回トレードしても負けてしまう」
まさに、「負のループ」です!
「おかしい?!普通にトレードしていて、勝率50%のゲームのはずが、まったく勝てなくて、勝率0%に近いなんて!」
私もこの「勝率0%」に近い状態に陥った経験があります。
でも、冷静に立ち止まって考えれば、勝率が悪いトレードをしているときは、間違いなく、ルール無視のダメトレードをしています。
「焦り!」がすべての元凶!
「多くの人が稼いでいる!」
「SNSを見渡せば、利益報告ばかり!」
ネットを見ると、損失を喰らっている人が自慢しているような発信には出会いません。
たまーに、「何百万円、何千万円も損をした!」っていうYouTubeやツイッターでの呟きをみますが・・・
ただ、冷静に見てみると、稼いでいるという情報発信のほとんどすべてが、その先に情報商材や自動ツールの販売サイトへの誘導を目的にしているものであり、実際に稼いでいるかどうか怪しいものがほとんどです。
人は、華やかで優雅なものに憧れます!
だから、インスタとか、女性のファッションや美しさ、美を追及したり、男性でいえば、身体を鍛えた動画やセレブっぽいバックに溢れたもの・・・高級レストランや高級車をバックに発信したSNSのうけが良いわけです。
まあ、こういう発信はほとんどが「憧れ」に留めておくことができますが、こと「FX」に関しては、自分との対比が常に心の中にあります。
稼いでいる人のSNSばかり見ていると、余計に「焦り」が増してきて、自分自身のトレードに悪影響を与えます。
稼ぐ前に、自分のトレードルールを愚直に守ろう!結果はあとから付いてくる!
一般的にいわれる「ポジポジ病」も私の名付けた「ダボハゼ・トレード」も、「焦り」が生み出すものです。
なので、落ち着いてトレードすることが、まず求められます。
その「落ち着いたトレード」をするためにどうすれば良いか?
私なりにまとめてみました!
①トレードルールを確立する ②トレードルールを守り、ルールを無視したトレードをしない! (1)ダボハゼトレードにならないようにする! (2)トレードルールを守って負けても焦らない! (3)トレードルールをより精査してグレードアップする! ③各市場のボラティリティを気にしない! ④口座残高をやらたと見ない! ⑤勝てるようになっても調子に乗らない(雑にならない)!
まず・・・
①トレードルールを確立する
トレードルールは、トレーダーによって十人十色です。
稼げれば、ぶっちゃけどの手法を使っても良いです。
自分自身にしっくりくるルールを確立することが必要です。
ただし、何よりも注意しないといけないのは、同じような使い方をするルール、例えば、インジケーターでいえば、RCIとRSIの2つを使うことや、種類の違う移動平均線、SMA(単純移動平均線)とEMA(指数移動平均線)の両方を表示させるとか・・・
つまり、目的の似通ったものを複数使うことで、ついつい精度があがるように思われますが、これは「ノイズ」以外の何物でもありません。
使うインジケーターは、極力絞って使うようにしましょう。
って、いうことで、私の場合は「RCI」「HMA(ハル移送平均線)」「PriceBorder」をメインのインジケーターとして活用しています。その他にも、Pivotやキリ番表示、EMA(指数移動平均線)なども表示していますが、これらはあくまでも補助的な意味合いで表示しています。
②トレードルールを守り、ルールを無視したトレードをしない!
ルールを守ることは当たり前なんですが、これがFX初心者にはできません。
ついつい、ルール違反をしてしまいます。
これは裏を返せば、トレードルールが確立されてなくって、あいまいなことが一因ともいえます。
自分自身のトレードルールに自信があれば、そのルールを愚直に守るはずですが、ルールがあいまい、もしくは、アバウトなので、本来ならルールに逸脱している場面でも、ルールに酷似していると思い、エントリーしてしまう。
そういうことって結構あります。
トレードルールの確立と、それを頑ななまで守ることは本当に大切です!
③各市場のボラティリティを気にしない!
トレードをしていると、常に意識してしまうのが、ボラティリティです。
多くの人が、三大市場(東京・ロンドン<欧州>・ニューヨーク)のそれぞれの時間帯の区切りと各ボラティリティを表示させています。
これらを表示することは、時間帯を意識するうえで非常に大切なことですが、各市場ごとのボラティリティの表示については、人によってはマイナス面に働いてしまう場合があります。
例えば、東京時間は、1日の中でもあまりボラティリティの出難い時間帯であるといわれています。
そんな中で、東京時間に、100pips、150pipsと上昇(もしくは下落)した場合、もうこれ以上は上昇(もしくは下落)しないだろうと思い、勝手に下降目線に思考が切り替わってしまいます。
結局、その後も価格が上昇(もしくは下落)し続け、200pips以上のボラティリティになってしまうこともあります。
もちろん、値動きが反転しそうな様子を汲み取って、目線を少し切り替えるのはOKですが、単にボラティリティだけ見て、相場の転換を判断することはオススメしません。
余計な思考がよぎり、トレードルールの通りだとしてもエントリーを躊躇してしまうことになりかねないからです。
④口座残高をやらたと見ない!
これは本当に、ダボハゼトレードを防止する意味でも大切なことです。
これまでの利益や損失額を、トレード中に意識してしまうと、
「今日は序盤から損をしているから儲けないと!」って思ったり、「今日はいつもの倍稼いでいるので、もっとロットをあげて稼ごう」とか・・・余計な物差しが頭の中をよぎり、トレードルールを無視した、強引なトレードをいつの間にかしていることも珍しくありません。
口座残高の確認は、1日のトレードの終わりか、一週間の終わりの、トレードの振り返りの際に一緒に確認するようにしましょう。
これは、YouTubeやSNSで、日々の収益などを発信(私には自慢にも聞こえますが・・・)しているベテラン・プロトレーダーにも責任の一端があると思っています。
FXは、稼ぐことよりも、安定的に稼ぐ手段を身につけることが大切です。
稼ぐ手段が身につけば、自然に稼げるようになります!
⑤勝てるようになっても調子に乗らない(雑にならない)!
これは、無駄な損失を被らないために欠かせないマインド(気持ち)です!
例えば、1日の例でいえば、午前中・東京時間が思った以上に調子よく、100pipsの利益をあげたとします。
この調子で行けば、欧州時間、ニューヨーク時間と200~300pipsぐらいの利益をあげられるかもと、色気が出ます。
この欲張りな気持ちが大きな問題になります。
夕方からの相場は、荒れ相場で、50pips以上の幅で行って来いを何度か繰り返す有様で、午前の緩やかなトレンド継続とはまったく異なる動きで、5分足換算で30pips上昇して陽線を出した直ぐ次の足で30pipsの下落で陰線を付ける、こういう陽線・陰線を交互に繰り返す相場が、実は欧州時間に出くわすことがあります。
こういう相場で往復ビンタを喰らうと、多くの人は普通のメンタルではいられなくなります。
こういうまったく読めない相場の場合、本来はチャートから離れるべきですが、「ボラティリティはあるのだから、方向が合えば利益を積み重ねられる」と錯覚します。
おそらく、この気持ちを持った時点で、多くの人は、自分のトレードルールから逸脱した行動を取ります。
結局、ニューヨーク時間の後半、日本時間の深夜になって、その日のトレードを閉めたとき、東京時間で100pipsだった利益が、-150pipsで終えてしまったことに愕然とします。
こういう場合は、本当は、東京時間の100pipsでその日のトレードを終えて、別のことに時間を割いていれば良かったのですが、欲張った結果、最悪の1日となってしまったのです。