Price Border(プライス・ボーダー)というインジケーターは、日本ではあまり知られていませんが、私はこのPrice Border(プライス・ボーダー)をチャートに表示するようになって、トレードが楽になりました。
まず、Price Border(プライス・ボーダー)とは、どういうインジケーターなのか、Googleさんで検索してみると、日本語で書かれているページは数えるぐらいしかいありません。
というわけで、Price Border(プライス・ボーダー)が、どんな感じで描画されるのか本家本元の海外のホームページ(Trend Following SystemのArun Lamaさん)を見てみると…
上記は、ユーロ・ドルの15分足のローソク足にPrice Border(プライス・ボーダー)を描画したものです。
パッと見た感じ、日本人の中にも、使っている人が比較的いる「Envelope(エンベロープ)」に似ている感じがします。
ただ、Envelope(エンベロープ)自体についても、知らない人がいらっしゃると思います。
エンベロープとは、移動平均線をそのまま上下に一定に乖離させた線のことで、価格が移動平均線から、どの程度離れたかを見るために用いられています。
Envelope(エンベロープ)の使い方ですが、一般的には、Envelope(エンベロープ)の上限・下限をトレンドの反転のポイントとして売買サインに用いたり、支持・抵抗の目安として用います。これは、移動平均線からある程度乖離した価格は、移動平均線へ回帰されるという考えからきています。これをミーン・リバージョン(平均回帰性)といいます。
乖離の目安をどの程度にするかは、相場によって異なりますが、一般的に為替市場では期間24の移動平均線(SMA)対比で「2~3%」といわれています。
このミーン・リバージョン(平均回帰性)の考え方は欧米の投資家には馴染んでいるんですが、日本人にはミーン・リバージョン(平均回帰性)の考え方よりも、トレンドラインや節目ラインなどの直線的な考え方の方が馴染みがあるみたいです。
私自身も十数年前、FXに始めた触れたとき、「トレンドライン」とか「ラインブレイク」とかいう言葉ばかり目にしていました。
トレンドラインをどう引くか、直近高値、直近安値を直線で引き、意識されるラインをどのように引くか、練習あるのみ!という指導も受けました。
ただ、今はこの「トレンドライン」とか、「意識されるライン」などは重要視していないです。ただし、節目の価格とピボットラインのような、誰が引いてもまったく同じになるラインは意識しています。
つまり、個人個人が自分の感覚で引く「トレンドライン」ようなラインは、引く人によって異なるので、信頼性に欠けると思っています。
また、移動平均線からの乖離で有名なものに、「Bollinger Band(ボリンジャーバンド)」がありますが、Bollinger Band(ボリンジャーバンド)の各ラインは、標準偏差を使って算出され価格変動が大きくなるとバンドの幅が広がったり、変動が小さくなると幅が縮まったりと相場の変動に伴ってラインの広がりや縮まりがありますが、Envelope(エンベロープ)にはその拡大と収縮がなく、単純に、中心ラインの期間の移動平均線に平行線が引かれたものとなります。
日本人に最も愛されているインジケーターの1つがBollinger Band(ボリンジャーバンド)だと思います。
私も実際、Price Border(プライス・ボーダー)に加えて、Bollinger Band(ボリンジャーバンド)も取り入れています。厳密にはボリンジャーバンドストップ(とかシングルボリンジャー※)を表示していますが…
これら…
・Price Border(プライス・ボーダー)
・Envelope(エンベロープ)
・Bollinger Band(ボリンジャーバンド)
の3種類を同じチャートに描画してみると、こんな感じです!
このチャートは、この記事を書くのに当たって、直近のユーロ円…2023年3月17日の5分足に描画したものです。
Price Border(プライス・ボーダー)、Bollinger Band(ボリンジャーバンド)、Envelope(エンベロープ)の3種類のインジケーターを表示しています。
それぞれの設定ですが…
Price Border(プライス・ボーダー)




Price Border(プライス・ボーダー)のパラメーター入力ですが…
・TimeFrame・・・『TimeFrame』には表示させたい時間を分単位で記入します。5分なら『5』、1時間なら『60』、4時間なら『240』という感じです。通常は、今使っている時間足に合わせてください。
・HalfLength・・・『HalfLength』は期間のようなもので、値を増やすと線が滑らかになります。デフォルトの『61』のままでOKです。
・Price・・・『Price』は0から6の間で、どこの価格を取得するかの設定ですが、デフォルトの『0』のままでOKです。
・ATRMultiplier・・・バンドの幅が変更できますが、デフォルトの『2.6』のままでOKです。
・Interpolate・・・『true』のままでOKです。
・alertsOn・・・アラートを使う場合は『true』にしてください。
・alertsOnCurrent・・・最新のバーで判定をする場合は『true』にしてください。
・alertsOnHightLow・・・Hightバンド・Lowバンドに触れた場合にアラートを鳴らすときは『true』にしてください。
・alertsMesseage・・・画面上にアラートメッセージを出したいときは『true』にしてください。
・alertsSound・・・到達したときにサウンドを鳴らしたいときは『true』にしてください。
・alertsEmail・・・到達したときに設定したアドレス宛にメールを送信したいときは『true』にしてください。
Bollinger Band(ボリンジャーバンド)





Envelope(エンベロープ)





再度、3つのインジケーターを描画したチャートを見ると…

チャートを見ると、Price Border(プライス・ボーダー)が非常によく効いているように思えますが、なぜ日本では、Price Border(プライス・ボーダー)が広まっていないのでしょうか?
それは、日本ではいまだにトレンドライン、ラインブレイク、押し戻りの手法などがメジャーになっていて、ミーン・リバージョン(平均回帰性)の考え方が浸透していないことが上げられます。
私たちが、どの手法を用いてトレードをするかは、個人個人の自由ですが、やはり、分かりやすく、高勝率を確保できる可能性の高い手法を選びたいものです!